【現場歴10年】私はなぜ「根本改善」という言葉を使わないのか
整骨院広告と慢性肩こり・腰痛の現実について
私はこの仕事を約10年間続けてきました。これまで多くのお客様の身体に触れ、肩こり、首こり、慢性腰痛、手のしびれ、足の疲れ、全身のだるさなど、さまざまな不調を見てきました。その中で、ずっと違和感を持ち続けている言葉があります。それが「根本改善」という言葉です。
最近、整骨院、整体院、鍼灸整骨院などの広告を見ると、「肩こりを根本改善」「腰痛を根本改善」「姿勢から根本改善」「痛みの原因を根本改善」という表現をよく見かけます。たしかに、この言葉は強いです。身体がつらい人が見れば、「ここに行けば本当に良くなるかもしれない」と思うのは自然なことです。
しかし、私は自分の店の宣伝で、この「根本改善」という言葉を使ったことがありません。使えないからではありません。使えば、お客様の反応は増えるかもしれません。集客につながるかもしれません。でも、私は使いません。理由は単純です。私自身が、その言葉を心から信じきれないからです。
私は性格的に、思ったことをはっきり言ってしまう人間です。だから損をすることもあります。人を怒らせることもあります。でも、自分が本当に信じていないことを、お客様に向かって言うことはできません。「根本改善できます」と言えば聞こえはいいです。でも、現場で10年やってきた私の感覚では、慢性的な肩こりや腰痛というものは、そんなに簡単なものではありません。
慢性的な不調には、仕事、生活習慣、年齢、睡眠、運動不足、身体の使い方、毎日の負担が深く関係しています。施術を受けたその日は楽になることがあります。これは本当です。私自身も、施術後に「楽になった」と言っていただくことはあります。しかし、それをすぐに「根本改善」と呼んでいいのか。私はそこに強い違和感があります。
たとえば、草刈りの仕事をしている人がいます。平らな場所だけではありません。山の斜面で作業することもあります。腰を曲げ、膝を曲げ、身体を前に倒し、手を伸ばして草を取る。しかも、場合によっては45度くらいの斜面で、身体のバランスを取りながら長時間作業することもあります。
そういう人に対して、「姿勢を正しくしてください」「重心をまっすぐにしてください」「身体の使い方を変えれば根本改善できます」と簡単に言えるでしょうか。もちろん、姿勢を意識することは大切です。身体の使い方を工夫することも大切です。でも、現実にはその人は翌日もまた同じ仕事をします。今日少し楽になっても、明日また斜面で腰を曲げて草を刈るのです。この現実を無視して「根本改善」と言い切ることに、私は納得できません。
介護施設で働いていた女性の話もあります。彼女は毎日、お年寄りをベッドから起こしたり、トイレに連れて行ったり、身体を支えたりする仕事をしていました。腕や手を使う時間がとても長く、朝起きると手がしびれるようになったそうです。不安になった彼女は、ある鍼灸整骨院へ通いました。
そこの先生はとても丁寧に説明してくれたそうです。「一回では良くなりません」「まず四回、五回、六回と段階的に通ってください」「身体は少しずつ変わっていきます」。説明はとても論理的で、専門的に聞こえたそうです。院内もきれいで、先生も国家資格を持っていて、服装も道具も雰囲気もプロらしく見える。身体に不安を抱えている人なら、信じたくなるのは当然です。
実際、施術を受けた直後は楽になったそうです。手のしびれも軽くなった。これは本人が私に話してくれたことです。でも数日後、また仕事へ行きます。またお年寄りを支えます。また腕を使います。また同じ動作を繰り返します。すると、また手がしびれてくる。行けば楽になる。でも、しばらくすると戻る。彼女は最後にこう言っていました。「行けば楽にはなる。でも結局、また元に戻る。」
私はこの言葉が、慢性的な不調の現実をよく表していると思います。一時的に楽になることと、根本から改善することは同じではありません。施術に意味がないと言っているのではありません。意味はあります。楽になることもあります。でも、仕事や生活の負担が変わらなければ、同じ場所にまた負担がかかる。この現実を抜きにして、「根本改善」という言葉だけが前に出ることに、私は疑問を感じます。
また、整骨院では健康保険についても分かりにくい部分があります。厚生労働省は、単なる肩こりや筋肉疲労に対する施術は健康保険の対象にならないと説明しています。柔道整復では、例外的に「受領委任」という仕組みがあり、患者が窓口で一部負担金を支払い、残りを柔道整復師が患者に代わって保険者に請求する制度があります。だからこそ、利用者側も「何に保険が使えて、何に使えないのか」を知っておく必要があります。
もちろん、すべての整骨院が悪いと言っているわけではありません。真面目にやっている先生もいます。ただ、慢性的な肩こりや腰痛、日常生活の疲れ、筋肉疲労のようなものまで、利用者がよく分からないまま「保険が使える」と思い込んで通っているケースがあるなら、それは利用者にとっても良いことではないと思います。健康保険組合なども、慢性的な肩こり・腰痛や日常生活の疲れからくる不調は、健康保険の対象にならないと注意喚起しています。
整骨院が増えている背景もあります。柔道整復師の養成校が増えたことで資格取得者が増加し、施術所数も増えてきました。厚生労働科学研究の報告でも、養成校の増加により柔道整復師の資格取得者が2000年頃から大きく増えたことが指摘されています。 施術所が増えれば、当然競争も激しくなります。競争が激しくなれば、広告の言葉も強くなります。「根本改善」のような言葉が増える背景には、こうした業界全体の流れもあると思います。
私は、電気治療についても思うことがあります。整骨院では、まず電気をかけて、そのあと手で10分から15分ほど施術するような流れが多い印象があります。もちろん、電気治療そのものを否定するつもりはありません。楽になる人もいると思います。しかし、首の奥や肩甲骨の内側、背中の深い部分が硬くなっている人に対しては、私はやはり人の手で深く探っていく施術のほうが重要だと考えています。
慢性的な首こりや肩こりの人は、表面だけではなく、奥の筋肉がガチガチになっていることがあります。そういう場所は、ただ電気をかけるだけでは届きにくいと私は感じています。親指や肘を使い、硬い場所を探し、筋肉の深い部分へしっかり入れていく。これは経験と感覚が必要です。誰でもすぐにできるものではありません。
そして、国家資格についても私は正直に思うことがあります。国家資格は大切です。知識も必要です。法律も守らなければなりません。しかし、「国家資格がある=必ず技術が高い」とは限りません。学校を卒業したばかりの若い先生が、資格を持っていることはもちろんあります。でも、実際に多くの身体を触り、さまざまな症状を見てきた人とは、やはり経験が違います。
これはどの業界でも同じです。料理人でも、美容師でも、職人でも、スポーツ選手でも、資格や学校だけで一流になるわけではありません。努力も必要です。経験も必要です。そして私は、天性の感覚もあると思っています。サッカーでいえば、メッシのような選手は努力もしていますが、努力だけでは説明できない才能があります。施術も同じです。努力だけでは届かない感覚がある。人の身体を触った瞬間に、どこが硬いのか、どこへ入ればいいのか、どの角度なら響くのか。これは教科書だけでは身につきません。
だから私は、「国家資格だから安心」という広告だけで判断するのは危険だと思っています。資格は一つの基準です。しかし、本当に大切なのは、その人がどれだけ現場で経験を積み、どれだけ多くの身体を見てきたか。そして、その人自身にどれだけ施術の感覚があるかです。
私が「根本改善」という言葉を使わない理由は、結局ここに戻ります。私は効果を大きく見せたくありません。お客様を集めるために、現実以上の言葉を使いたくありません。私はこの仕事を10年やってきましたが、身体は本当に正直です。仕事で無理をすれば、また硬くなります。長時間同じ姿勢でいれば、また首や肩に負担がかかります。介護や草刈りのように身体を使う仕事なら、施術後に楽になっても、また同じ場所へ負担が戻ってきます。
だから私は、お客様に対して「今日は楽になるかもしれません。でも、生活や仕事の負担が続けば、また戻ることもあります」と正直に伝えたいのです。按摩は魔法ではありません。施術は身体を助けるものです。楽にすることはできます。回復を助けることもできます。しかし、すべてを一瞬で根本から変えるものではありません。
この文章は、整骨院を攻撃するために書いているわけではありません。整骨院が全部悪いと言いたいわけでもありません。私はただ、身体がつらい人に、広告の言葉だけで判断してほしくないのです。「根本改善」という言葉は魅力的です。でも、その言葉を見たときに、一度立ち止まって考えてほしいのです。
自分の肩こりは、なぜ起きているのか。自分の腰痛は、仕事と関係していないのか。毎日の姿勢、睡眠、身体の使い方、年齢、疲労の蓄積は関係していないのか。そういうことを考えずに、ただ「根本改善」という言葉だけを信じてしまうと、期待が大きくなりすぎます。そして、楽にはなったけれど戻ってしまった時に、また別の場所を探すことになります。
私は、派手な言葉で人を集めるよりも、正直な言葉で仕事をしたいと思っています。少し不器用かもしれません。商売としては下手かもしれません。でも、自分が信じていない言葉を使って、お客様に期待だけを持たせることはしたくありません。
私は10年間、この仕事をしてきました。その中で強く感じているのは、身体の不調には必ずその人の生活があります。仕事があります。毎日の積み重ねがあります。だからこそ、私は「根本改善」という言葉を簡単には使いません。
身体がつらい方には、強い広告の言葉だけではなく、現実も見てほしいと思います。施術は大切です。でも、施術だけで人生すべての負担が消えるわけではありません。本当に大切なのは、自分の身体を知ることです。そして、自分の生活や仕事の中で、何が身体に負担をかけているのかを理解することです。
そのうえで施術を受けるなら、意味があります。身体を助けることができます。楽になることもあります。しかし、私はそれを簡単に「根本改善」とは呼びたくありません。
これが、現場歴10年の私が「根本改善」という言葉を使わない理由です。

なぜ「根本改善」という言葉は、ここまで広まったのか
私はこの仕事を始めた頃と比べると、日本の施術業界は大きく変わったと感じています。
以前より整骨院は増えました。
整体院も増えました。
鍼灸院も増えました。
利用者にとっては選択肢が増えたとも言えますが、お店側からすれば、それだけ競争が激しくなったということです。
競争が激しくなれば、お客様に選んでもらうための工夫が必要になります。
料金を安くする。
初回限定価格を出す。
無料体験を行う。
ホームページをきれいに作る。
動画を作る。
SNSを更新する。
こうした努力は、私は悪いことだとは思いません。
私自身もホームページを作っていますし、情報を発信することはとても大切だと思っています。
しかし、競争が激しくなるにつれて、広告で使われる言葉も少しずつ強くなっていきました。
「肩こりが楽になります。」
よりも、
「肩こりを根本改善します。」
のほうが印象に残ります。
「腰痛を和らげます。」
よりも、
「腰痛の原因を根本改善します。」
のほうが魅力的に聞こえます。
広告として考えれば、それは自然な流れなのかもしれません。
でも私は、そこに少し危うさも感じています。
なぜなら、人は身体がつらい時ほど、冷静な判断が難しくなるからです。
人は希望を求める生き物です
私は、「根本改善」という言葉に反応する人を責めるつもりはまったくありません。
私自身でも、身体が本当に苦しい時には、「何とか治したい」と思います。
それが人間です。
例えば、何年も肩こりに悩んでいる人。
毎朝起きるたびに首が重い人。
腰が痛くて仕事がつらい人。
そういう人が、
「根本改善」
という言葉を見れば、
「ここなら何とかしてくれるかもしれない。」
そう思うのは、とても自然なことです。
私は以前、砂漠の話をしました。
喉が渇いて倒れそうな人の前に、冷たい水があれば誰でも飲みたくなります。
身体の不調も同じです。
苦しい時ほど、人は希望を探します。
だから私は、「根本改善」という言葉が広まった理由も理解できます。
しかし理解できることと、その言葉を自分が使うことは別の話です。
私は、その言葉を自分の広告には書きません。
整骨院に長く通っている人を、私は何人も見てきました
この10年間、多くのお客様と話をしてきました。
その中には、
「以前は別の整骨院へ通っていました。」
という方も少なくありません。
一つのお店だけではありません。
二軒。
三軒。
四軒。
いろいろなお店へ行った経験がある人もいました。
もちろん、その中には、
「すごく良かった。」
という感想もあります。
反対に、
「自分には合わなかった。」
という話もあります。
私は、そのどちらもあるのが普通だと思っています。
人によって身体は違います。
施術者との相性もあります。
だから、ある人には合う施術が、別の人には合わないこともあります。
ただ、一つだけ私が共通して聞くことがあります。
それは、
「その日は楽になる。」
という言葉です。
これは本当に多くの人が言います。
肩が軽くなる。
腰が楽になる。
首が回るようになる。
それは決して嘘ではありません。
でも、そのあと仕事へ戻れば、また負担がかかります。
また同じ姿勢になります。
また同じ筋肉を使います。
すると数日後、また同じ場所がつらくなる。
私は、この現実を何度も見てきました。
だからこそ、「一時的に楽になること」と「根本改善」を同じ意味で考えることには、どうしても違和感があります。
本当に技術がある人は、派手なことを言わない
これは私の個人的な考えです。
10年間この業界で仕事をしてきて、本当に技術があると思った先生には共通点がありました。
それは、
あまり大きなことを言わない。
ということです。
「絶対に治ります。」
「100%改善します。」
そういう言葉を、私はほとんど聞いたことがありません。
むしろ、
「やってみないと分かりません。」
「まず身体の状態を見てみましょう。」
「仕事の内容も教えてください。」
そういう先生ほど、丁寧に身体を見ていました。
私は、この姿勢がとても大切だと思っています。
人間の身体は、一人ひとり違います。
年齢も違います。
仕事も違います。
生活習慣も違います。
だから、本当に技術のある人ほど、簡単に言い切らないのだと私は感じています。
誠実であることは、商売としては不器用かもしれない
この仕事をしていると、周りから言われることがあります。
「もっと強い言葉を使ったほうがいい。」
「もっとインパクトのある広告を書いたほうがいい。」
「そうしないとお客様は来ない。」
確かに、その考えも理解できます。
ホームページを作るにも、お金がかかります。
広告にも費用がかかります。
家賃もあります。
光熱費もあります。
経営していく以上、お客様に来ていただかなければ成り立ちません。
だから、「少しでも目立つ広告を書きたい」という気持ちは、私にもあります。
でも、その一方で私はいつも考えます。
「その言葉を、自分は本当に信じているのか。」
もし自分が信じていないなら、お客様にも言いたくありません。
私は、それだけは10年間変わりませんでした。
商売として考えれば、不器用なのかもしれません。
もっと上手く宣伝できる人はたくさんいます。
もっと魅力的な言葉を書く人もいます。
でも私は、自分が納得できない言葉で人を集めるくらいなら、時間がかかっても、自分の考えを理解してくださるお客様に来ていただきたいと思っています。
私が本当に伝えたいこと
ここまで読んでくださった方の中には、
「では、この人は整骨院へ行くなと言いたいのか。」
そう思われた方もいるかもしれません。
しかし、それは違います。
私は一度も、「整骨院へ行ってはいけない」と言ったことはありません。
整骨院にも素晴らしい先生はいます。
鍼灸にも助けられた人はたくさんいます。
整体で身体が楽になった人もいます。
私が伝えたいのは、とてもシンプルです。
広告だけを信じて、お店を選ばないでほしい。
それだけです。
「根本改善」という言葉だけで判断するのではなく、
その先生がどんな考えで施術をしているのか。
どんな説明をしてくれるのか。
自分の身体をきちんと見てくれるのか。
生活や仕事まで含めて話を聞いてくれるのか。
そういう部分を見て、お店を選んでほしいのです。
私は、それが一番大切だと思っています。
私が考える、本当に身体と向き合うということ
私は施術者です。
でも、施術だけですべてを変えられるとは思っていません。
例えば、毎日10時間パソコンに向かっている人。
毎日重い荷物を持っている人。
毎日介護の仕事をしている人。
毎日草刈りをしている人。
その人たちの身体には、毎日同じ負担がかかっています。
その負担が変わらない限り、身体にも同じ負担が積み重なります。
だから私は、お客様にもよくお話しします。
施術は身体を楽にする手助けはできます。
疲労した筋肉を緩めることもできます。
血流を良くすることもできます。
でも、その後の生活まで私が変えることはできません。
だからこそ、お客様自身にも、自分の身体と向き合っていただきたいのです。
仕事。
睡眠。
運動。
姿勢。
生活習慣。
そうした一つひとつが積み重なって、今の身体があります。
私は、その現実を無視して「根本改善できます」と言うことはできません。
私はこれからも、この考えを変えないと思います
10年間、この仕事を続けてきました。
もちろん、技術はこれからも勉強していきます。
新しい知識も学びます。
もっと良い施術ができるよう努力も続けます。
でも、一つだけ変わらないと思うことがあります。
それは、
自分が信じていない言葉では、お客様を集めない。
ということです。
私は派手な広告を書くことよりも、正直に伝えることを選びます。
すぐに結果が出ないこともあるでしょう。
遠回りかもしれません。
でも、そのほうが私らしいと思っています。
最後に
この文章は、整骨院を否定するために書いたものではありません。
また、「根本改善」という言葉を使っているすべての先生を批判するために書いたものでもありません。
これは、現場で10年間仕事を続けてきた一人の施術者として感じてきたことを、できるだけ正直に書いた文章です。
私には私の考えがあります。
そして、他の先生には他の考えがあります。
だからこそ、私は読者の皆さんにも、一つの広告や一つの言葉だけを信じるのではなく、自分自身で考え、自分に合った施術者を見つけてほしいと思っています。
身体は、一人ひとり違います。
だからこそ、答えも一つではありません。
ただ一つ言えることは、私はこれからも、自分が信じられる言葉だけを使い、目の前のお客様と誠実に向き合いながら、この仕事を続けていきたいということです。
それが、10年間この仕事を続けてきた私の、変わらない信念です。
私が10年間、この仕事を続けてこられた理由
私は決して特別な人間ではありません。
経営が得意なわけでもありません。
広告が上手なわけでもありません。
SNSが得意なわけでもありません。
むしろ私は、不器用な人間だと思っています。
思ったことをそのまま口にしてしまう性格ですし、「もっと上手く言えばいいのに」と言われることもあります。
それでも、この仕事を10年間続けてくることができました。
その理由は、とてもシンプルです。
私は、この仕事が好きだからです。
人の身体に触れ、その人が少しでも楽になって帰っていく姿を見ることが好きです。
「今日は来てよかった。」
「少し身体が軽くなりました。」
「また仕事を頑張れそうです。」
そう言っていただけることが、私にとって何より嬉しい瞬間です。
だから私は、この仕事を続けています。
お客様全員を一回で良くできるとは思っていません。
どんな症状でも改善できるとも思っていません。
でも、目の前のお客様のために、その時できることを全力で行う。
その積み重ねが、この10年間だったと思っています。
私が考える、本当に信頼できる施術院の選び方
もし、この文章を読んでいる方が今どこへ行けばいいのか迷っているなら、私は広告だけで判断してほしくありません。
ホームページがきれいだから。
口コミが多いから。
「根本改善」と書いてあるから。
それだけで決めないでほしいのです。
私なら、まず先生の話を聞きます。
身体の状態をしっかり聞いてくれるか。
仕事の内容まで聞いてくれるか。
生活習慣について質問してくれるか。
こちらの話を途中で遮らず、最後まで聞いてくれるか。
そういう部分を見ます。
技術はもちろん大切です。
でも、私は説明する力も同じくらい大切だと思っています。
人間の身体は、一人ひとり違います。
だから、全員に同じ説明をする先生よりも、その人に合わせて話をしてくれる先生のほうが信頼できます。
そして、質問をした時に、分からないことを分からないと言える先生。
無理に断言しない先生。
そういう先生ほど、私は誠実だと感じます。
私がこの業界に願っていること
私は、この文章を書いたからといって、整骨院と対立したいわけではありません。
同じ身体に関わる仕事をしている者同士です。
だからこそ、この業界全体がもっと利用者から信頼される存在になってほしいと思っています。
そのためには、広告だけが先に進むのではなく、技術や説明、誠実さも同じように大切にされる業界になってほしいと願っています。
「絶対に治る。」
「必ず改善する。」
そんな言葉だけが目立つ時代ではなく、
「あなたの身体の状態はこうです。」
「この仕事を続ける以上、この部分には負担がかかります。」
「施術で楽になる可能性はありますが、生活習慣も大切です。」
そういう現実的で誠実な説明をする施術者がもっと評価される業界になれば、お客様にとっても良いことだと思います。
私は、それが結果的には業界全体の信頼につながると信じています。
私が最後に伝えたいこと
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
この文章には、私が10年間この仕事を続ける中で感じてきたことを、できるだけ正直に書きました。
もしかすると、私の考えに賛成できない方もいるでしょう。
「根本改善」という言葉に違和感を持たない先生もいると思います。
それでいいと思います。
考え方は人それぞれです。
私は、自分の考えだけが正しいとは思っていません。
ただ、自分自身が信じていない言葉を使って仕事をしたくない。
その気持ちだけは、この10年間一度も変わりませんでした。
これから先も、おそらく変わらないでしょう。
私は派手な広告よりも、一人ひとりのお客様と向き合う時間を大切にしたい。
大きな言葉よりも、本当のことを伝えたい。
それが遠回りだったとしても、私はその道を選びます。
もし、この文章を読んでくださった方が、自分の身体と少しでも真剣に向き合うきっかけになったなら、そして広告だけではなく、「自分に本当に合う施術とは何か」を考えるきっかけになったなら、これほど嬉しいことはありません。
私はこれからも、10年間変わらず続けてきたように、一人ひとりのお客様の身体と真剣に向き合い、誠実な施術を積み重ねていきたいと思います。
それが、私がこの仕事に対して持ち続けている、変わることのない信念です。

